説文解字繋傳 40卷

『説文解字繋伝』40巻は、南唐・徐鍇による『説文解字』注釈書で、小徐本と呼ばれます。同書の元の姿は宋代には早くに失われていましたが、僅かに伝わった影宋抄本に基づいて、清朝に入り、まず汪啓淑刻『説文解字繋伝』40巻が乾隆47年(1782)に刊行され、次いで道光19年(1839)に刊行されたのがこの祁寯藻刻『説文解字繋伝』40巻です。同書は、刊行当初から頻繁に修補を繰り返したことで知られていますが、文学研究科所蔵の本書は、先行研究の基準に照らすと最も早い初印本であり(郭立暄『中國古籍原刻翻刻與初印後印研究』で「初印甲本」と呼ばれる版本)、貴重な版本ということができます。