京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 御成敗式目

《この作品について》


御成敗式目 ごせいばいしきもく - 鎌倉時代・1232


 御成敗式目は、1232 (貞永元) 年、北条泰時 (1183-1242) らによって制定された鎌倉幕府の法令です。全51ヶ条。武家社会にとっての最初の成文法であるとされています。
 それまで、貴族社会に対する法律や土地・荘園に関する法律はありましたが、武士に対する明確な法律はありませんでした。北条泰時らは、幕府運営と武士たちの統制・裁判のための基本法典として、源頼朝以来の慣習や不文法をもとに、この御成敗式目を定めました。内容は、土地・財産、道徳、守護・地頭の職務内容、裁判、家族制度などです。
 そもそも当時の法律は、その内容が人々に知らされることはほとんどありませんでしたが、御成敗式目は全国各地の武士階層に広く周知されました。したがって、それまでの法律文書とちがって、比較的判りやすい平易な言葉で書かれていることも、その特徴のひとつです。
 御成敗式目の基本方針はのちの武家社会に強く影響を与え、室町幕府や戦国時代の各大名たちの法律にも受け継がれていきました。また江戸時代には、寺子屋などでの習字の教科書としても使われています。

 

御成敗式目(法学研究科所蔵) 第1条。
御成敗式目 (法学研究科所蔵) 第1条
「神社を修理し、祭祀を専にすべきこと。」



《画像&資料について》

 上の画像は、たくさんの注釈や補記が書き記されている、御成敗式目の写本です。法学研究科所蔵。
●[御成敗式目・法学研究科所蔵]

 

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