修復した『大般若波羅蜜多経』など、附属図書館所蔵資料20タイトルを公開しました

附属図書館が所蔵する『大般若波羅蜜多経』など20タイトルを新たにデジタル化・公開しました。2021年3月8日現在、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、20,340タイトル、1,638,715画像となりました。

『大般若波羅蜜多経』は、巻子装または折本の形態ですが、資料全体にわたって虫害等による欠損が見られ、長らく閲覧停止となっていました。2019年度に、漉き填め（すきはめ）及び裏打ち修復を行い、このほどデジタル化・公開が叶いました。

漉き填めとは、紙漉きの流し漉きの技法を取り入れた修復技法で、修復する資料に資料と同質の紙原料液を流し込み、虫喰い・破れなどの欠損した箇所にのみ新たな紙を形成します。資料を傷つけず、色合い・手触り・風合いも損なわず、可逆性もあります。一方、裏打ちは、和紙や布を資料の裏に張って丈夫にする技法で、しわを伸ばす効果も期待できます。

修復してまた読めるようになった資料を、京都大学貴重資料デジタルアーカイブでじっくりとご覧ください。