尚書 2巻

室町時代の碩儒船橋宣賢の自筆本なり。甚だ貴重とす。識語に曰く「巻七/以右奥書本校正之加点無相違者也/宣賢(花押)」「巻十/永正十一年六月廿日以唐本写之加朱墨訖/少納言清原朝臣(花押)/天文二年正月七日加点重校正了/天文七年十月八日十三日三ケ度講之」又、「本云嘉応三年十五日校摺了/在判/直講近業御判」「永正十一年三月十四日以原本書写之即加朱墨訖/少納言清原朝臣(花押)」「建長三年七月廿六日以家秘説奉亜相授尊閤畢博士清原仲宣」とあり。本文には声点及振仮名を付す。巻七の前に「天師明経儒」の卵形朱印及び宣條又東の一字の方朱印を捺す。清原氏の一門伏原家の伝来也。□□表紙の原装なるも題簽を逸せり。巻十の巻首には宣賢と自著し東の印を捺す。本書はただ巻七及同十のみの零冊なるも、宣賢自筆たるは大に珍重すべきなり。(出典: 鈴鹿目録上巻 p.74)