京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 小倉百人一首

《この作品について》


小倉百人一首 鎌倉時代


 この作品は、鎌倉時代に、当時の代表的歌人藤原定家が、すぐれた歌を選びまとめた和歌集です。別名を『小倉山荘色紙和歌』『百人一首』といいます。定家が京都の嵯峨小倉山に住んでいたことからこの名がつけられたと言われています。百人の歌人の作を一首ずつ、ほぼ歌人の時代順に配列しています。作者は男性 79 人(うち、僧侶 13 人)、女性 21 人です。修辞など技巧をうまく使った優艶な歌が多く、定家の好みがよく表れています。ここに収められた歌は、のちに百人一首かるたとなって、人々に広く知られるようになりました。

 

百人一首(平松文庫)
百人一首(平松文庫)
天智天皇御製「秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我衣手は露にぬれつつ」



《画像&資料について》

 上の画像は、平松文庫に収められている『百人一首』です。いつ、誰によって写されたものかは不明ですが、草木や鳥の地模様が入った色つきの料紙に、力強い筆で書かれた美しいものです。京都大学附属図書館には、他にも『百人一首』が所蔵されています。同じ平松文庫には、『小倉山荘色紙和歌』『未来記』『三十六人歌合』『詠歌之大慨』『秀歌之体大略』など和歌集や歌論集が一冊にまとめられたもの(平松文庫(合綴))や、後ろ表紙に「文禄第二中夏望日書之」と書かれた 1593 年写の『小倉山荘色紙和歌』(平松文庫(文禄2年写))があります。
●[平松文庫(粘葉)]
●[平松文庫(合綴)]
●[平松文庫(文禄2年写)]


《もっと知りたい》

【関連書籍】
百人一首 / 島津忠夫訳注(角川ソフィア文庫 ; 37)
百人一首 : 恋する宮廷 / 高橋睦郎著(中公新書 ; 1725)
百人一首の作者たち : 王朝文化論への試み / 目崎徳衛著(角川選書 ; 142)

【Web】
日本の伝統百人一首
百人一首ゲーム

 

京都大学所蔵資料でたどる文学史年表


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