京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 論語

《この作品について》

 

論語 ろんご - 紀元前 5 世紀頃


 論語は、儒家の祖・孔子 (前 551 - 前479) の教えが記された、儒教の代表的な経典です。全 20 編。"四書" のひとつとされています。論語におさめられている文章は、孔子が語った儒教の教えを、のちにその弟子たちが書き留めて整理したものです。
 孔子は論語の中で、仁・礼・忠・恕などによって身を修めることや、それによって実現される道徳的な社会・政治を理想としています。徳治主義などの思想ばかりでなく、弟子たちとのやりとりや交流の様子が描かれているのも、論語の魅力のひとつといえるでしょう。
 『日本書紀』の記述では、論語は 3 世紀に日本に伝えられたとされています。奈良時代にはすでに当時の知識人たちにとって必読の書となっており、以来、江戸時代の寺子屋教育に至るまで、日本の道徳・漢文教育に広く浸透しました。

 

論語(清家文庫・良枝筆)、第1編の冒頭。
論語(清家文庫・良枝筆)、第 1 編の冒頭。
「子曰く 学びて時に之を習う また悦ばしからずや。 朋 遠方より来ることあり また楽しからずや」

 

《画像&資料について》

 上の画像は、室町時代初期に清原良枝によって書き写されたとされている、論語の写本です。清家文庫におさめられており、国の重要文化財に指定されています。
京都大学貴重資料デジタルアーカイブでは、計 2 点の論語の画像を公開しています。

●[良枝筆 清家文庫本] 重要文化財
[枝賢筆 清家文庫本] 重要文化財
 

《もっと知りたい》

【関連書籍】
論語 . 孟子 . 荀子 . 礼記(抄) (中国古典文学大系 ; 第3巻)
論語の新しい読み方 / 宮崎市定著 (岩波現代文庫 学術 ; 22)
論語物語 / 下村湖人 (講談社学術文庫 493)

【Web】
論語の世界

 

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