京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 易経

《この作品について》

 

易経 えききょう - 紀元前 8 世紀

 

 『易経』は、四書五経と呼ばれる儒教の経典の一つです。『易』または『周易』ともいう古代中国の占いの本で、その原型がまとまったのは、紀元前八世紀ごろといわれています。
『易経』は、六十四卦を説明する「経」と、その解釈の「十翼」から成り立っています。陰と陽の爻(こう)と呼ばれるもの(陰爻--、陽爻-)を三本ずつ使ってできる八種類の組み合わせを八卦といいます。(「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉はここからきています。)
 さらにこの八卦を二つずつ組み合わせたものが六十四卦です。「経」には、六十四卦それぞれに持つ意味が説明されている「卦辞」と、卦を構成している六本の爻の意味が説明されている「爻辞」があります。ただ、「卦辞」も「爻辞」もわかりづらい文章であるため、さらにこれに解説がつけられました。繋辞伝、文言伝などがあり、それらをまとめて「十翼」といいます。
古代では、占いは現在よりももっと重い意味を持ち、政治をも動かす重要なものでした。

 

易経(清家文庫)周易上経乾伝第一 冒頭
易経(清家文庫)周易上経乾伝第一 冒頭

 

《画像&資料について》

 本書は、清家文庫に所蔵されている『易経』です。魏の時代、王弼という人物によって『易経』に注がつけられました。本書はその王弼の『周易注』の写本です。上下2冊からなっています。上冊の裏表紙見返しに「天子明経博士船橋家國賢秀賢御真跡」という貼紙があり、清原国賢、秀賢によって写されたものと伝えられています。

●[易経・清家文庫]

 

《もっと知りたい》

【関連書籍】
易経 / 高田真治, 後藤基巳訳(岩波文庫)
易の話 : 『易経』と中国人の思考 / 金谷治(講談社学術文庫)
まんが易経入門 : 中国医学の源がわかる / 周春才作画 ; 鈴木博訳

 

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