京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 枕草子

《この作品について》


枕草子 まくらのそうし - 平安時代


 『枕草子』は、清少納言によって書かれた、平安時代の随筆です。 清少納言は、清原元輔の娘として生まれ、一条天皇の中宮定子に仕えました。『枕草子』は、彼女が女房として仕えていた期間に書かれたものといわれています。
 内容は、類聚章段(るいじゅうしょうだん)、日記的章段、随筆的章段の、大きく三つに分けられます。類聚章段は、「山は…」「川は…」など「…は」や、「にくきもの」など「…もの」で始まり、それぞれのテーマに当てはまるものが列挙されています。ここでは、清少納言の鋭い感性が窺われます。日記的章段には、彼女が中宮定子の女房として仕えていた間にしたことや、見聞きしたことなどが書かれています。随筆的章段はこれ以外のものを指し、様々な思いをつづったものや歌の書きとめなどがあります。この時代の宮廷内の女性たちの暮らしや、考え方を知ることができる貴重な作品です。

 

枕草子(谷村文庫)、冒頭
枕草子(谷村文庫)、冒頭
「はるはあけほの やうやうしろくなりゆく やまきはすこしあかりて むらさきたちたる雲のほそくたなひきたる…」

 

《画像&資料について》

 上の画像は、江戸時代初期に刊行された、古活字版と呼ばれる活字本です。もともと日本にあった印刷技術は、一枚の板に絵や文字を彫って刷る木版印刷でしたが、桃山時代になって西洋や朝鮮から活字による印刷技術が入ってきました。これによって、漢籍や仏典など多くの種類の書物が出されるようになりました。それまで写本によってのみ伝えられていたわが国の古典、『万葉集』『伊勢物語』なども活字印刷されて出され、読者層を広げることになりました。特にこういった点が、活字印刷の導入の大きな意義だといえるでしょう。この『枕草子』もその一つで、寛永年間(1624 ~ 1628 年)ごろ刊行されたものと思われます。現在は、谷村文庫におさめられています。

●[谷村文庫・古活字版]


《もっと知りたい》

【関連書籍】
枕草子 : 付現代語訳 上巻;下巻/ 清少納言[著] ; 石田穣二訳注 (角川ソフィア文庫)
枕草子 : 桃尻語訳 上 - 下/ 橋本治 [訳] 著(河出文庫)
枕草子REMIX / 酒井順子著

【Web】
九大コレクション・枕草子 十三行古活字版

 

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