京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 太平御覧

《この作品について》


太平御覧 たいへいぎょらん - 983


 『太平御覧』は、中国宋代の類書です。類書とは、様々な書から重要な語句や事項を集め、項目ごとに分類編纂した書物のことです。本書は、二代太宗の時に、李 [日+方] らによって編纂が進められ、983 年に完成しました。天、地、人事、儀式、飲食、神鬼、獣、木、果など 55 部門からなり、さらに細かく項目が設けられています。これらの項目に関する事柄を、前代までの類書や、古い詩賦などから多く集めています。このような古い書の中には、亡失してしまい現在伝わらないものが多いため、その内容を伝えているという点でも、本書は大きな価値があるといえるでしょう。

 

太平御覧(谷村文庫) 巻第702・服用部 「扇」
太平御覧(谷村文庫) 巻第 702・服用部 「扇」



《画像&資料について》
 上の画像は、谷村文庫に所蔵されている『太平御覧』です。第 47 巻から第 52 巻、第 232 巻から第 239 巻、第 321 巻(途中より)から第 328 巻、第 701 巻から第 708 巻、第 861 巻から第 869 巻の五冊のみ所蔵しています。本書は、宋代に刊行されたものと伝えられています。
 上の画像は、第 702 巻、服用部の「扇」という項目です。「楊雄方言」「帝王世紀」「続漢書」「晋書」など多くの書から扇に関する故事が集められていることがわかります。

●[太平御覧 巻第47-52,232-239,321-328.701-708,861-869・谷村文庫]

 

京都大学所蔵資料でたどる文学史年表

 

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