京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 伊曽保物語

《この作品について》


伊曽保物語 いそほものがたり - 安土桃山・江戸時代初期


 伊曽保物語は、日本で刊行されたイソップ物語の翻訳本です。前半に原作者であるイソップの生涯を描いた略伝、後半にイソップの寓話がおさめられています。
 世界的に有名なイソップ物語が、当時の平易な日本語で語られています。原作そのままの内容が記されている話もあれば、舞台を京都におくなどのアレンジ、場合によっては教訓がちょっとだけ日本風に変わってしまっているものもあります。が、教訓を主にした内容と例え話の親しみやすさは、原作そのままといっていいでしょう。
 伊曽保物語にはふたつの種類があります。ひとつは "キリシタン版" として 1593 (文禄 2 ) 年に天草で刊行されたものです。活版印刷による作成、かつ、ポルトガル式のローマ字で当時の日本語の話し言葉が記されており、国語学研究上の貴重な資料とされています。もうひとつは江戸時代初期に "仮名草子" として出版されたもので、古活字版と絵入り整版とがあります。

 

伊曽保物語(絵入り整版・万治2年本)から。
伊曽保物語(絵入り整版・万治2年本)から。
「ある時、からす、くじゃくを見て、彼のつばさに様々の彩あることをうらやみ......」



《画像&資料について》

 上の画像は、1659 (万治 2 ) 年に京都で出版された、絵入り整版の伊曽保物語です。

●[伊曽保物語 3巻(絵入り整版・万治2年本)・一般貴重書]

 

《もっと知りたい》

【関連書籍】
絵入り伊曽保物語を読む / 武藤禎夫著
エソポ物語 : 付・古活字本伊曽保物語 / 大塚光信校注 (角川文庫)

 

京都大学所蔵資料でたどる文学史年表

 

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