京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 司馬江漢

《この作品について》


司馬江漢 しばこうかん - 江戸時代・1747-1818


 司馬江漢は江戸時代の画家です。1747 年、江戸に生まれました。幼い頃から絵を得意とし、江戸狩野派や、宋紫石に学びます。やがて、洋風画にも興味を示し、平賀源内らと交際し、前野良沢に蘭学を学びました。1783 年、江漢は、日本で初めて腐蝕銅版画を創り出しました。その他、遠近立体感のある洋風画や、油彩画も描いています。
 江漢の描く絵は、洋風画の手法を用いて日本の風景を描くなど、斬新なもので、のちの画家たちにも大きな影響を与えています。また、自然科学にも関心が深く、挿画や銅版による図版を載せた世界地理や天文に関する書を刊行しています。
 晩年は和漢の本から引用抜書して評論を加えたり、回想や身辺の雑記などを記しながら過ごし、1818 年 10 月 21 日、72 歳で没しました。

 

司馬江漢銅版画:地道図( 一般貴重書)
司馬江漢銅版画:地道図( 一般貴重書)
地動説を図示したもの


《画像&資料について》

 上の画像は貴重書庫に納められている司馬江漢の銅版画の一つです。江漢はそれまで信じられていた天動説ではなく、地球は、太陽を中心として、その周りを一年を周期として廻っているという地動説を受け入れました。これはその様子を銅版画にしたものです。
 彼は、この他にも自然科学・世界地理・天文に関する様々な図版を出しています。京都大学附属図書館貴重書庫には、世界地図を描いた地球全図や、星座を示した天球図など、司馬江漢の銅版画が多く所蔵されています。
●[司馬江漢銅版画]


《もっと知りたい》

【関連書籍】
司馬江漢 / 司馬江漢 [画] ; 日本アート・センター編(新潮日本美術文庫 ; 15)
司馬江漢 / 成瀬不二雄著(日本美術絵画全集 ; 第25巻)
江漢西遊日記 / 司馬江漢 [著] ; 芳賀徹, 太田理恵子校注(東洋文庫 ; 461)

【Web】
異国風景人物図(文化遺産オンライン)
相州鎌倉七里浜図(文化遺産オンライン)
司馬江漢筆山水図(早稲田大学図書館)

 

京都大学所蔵資料でたどる文学史年表


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