京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 永楽大典
《この作品について》
永楽大典 えいらくたいてん - 1408
『永楽大典』は、明代に編纂された、中国最大の類書です。類書とは、多くの書から重要な語句や事項を集め、項目ごとに分類編纂した書物のことで、百科辞書のようなものといえます。成祖永楽帝の勅により、解縉・姚広孝らが撰者となって、1408 年に完成しました。22800 巻以上からなっており、この時代に存在した多くの図書から記事を抽出し、洪武正韻という当時の韻別に従って配列しています。その後、原本は火災で滅び、1562 年に嘉靖帝の命によって写された副本もその多くを失い、現在は約 800 巻、400 冊が残っているのみです。
《画像&資料について》
上の画像は、『永楽大典』巻910の一部です。巻 910 から巻 912 が一冊に綴じられています。表紙見返しに、「乾隆三十八年月日発写謄録」とあることから、乾隆 38 年(1773)ごろより書写されたものと考えられます。この画像の箇所では、『山海経』から本文と図が引用されています。本書は、非常に多くの書から記事を集め、その書の図も詳細に写し取っており、これを編纂した人々の努力の程が窺われます。
京都大学附属図書館谷村文庫には、『永楽大典』巻12929~巻12930( 1 冊)も所蔵されています。
●[永楽大典 巻910-912・一般貴重書]
●[永楽大典 巻12929,12930・谷村文庫]
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