2020-11-11

大惣の蔵書印
大惣の蔵書印

附属図書館所蔵「大惣本」から70タイトルを電子化・公開しました。

大惣本とは、江戸中期から明治中期まで名古屋で営業した貸本屋、大野屋惣八店(略称「大惣」)の旧蔵書です。当時の貸本屋は流行中の書物だけを揃えておき、流行が過ぎれば処分して次の書物を購入するのが一般的でした。しかし大惣は「仕入れた本は転売しない」という不文律を引き継いで蔵書を増やしたため、江戸後期には全国一の規模の貸本屋となりました。明治維新以後、書物の大量生産が可能になってからは多くの貸本屋が衰退し、大惣も明治31年頃に廃業が決まりました。16,734部にのぼる膨大な蔵書が売却されることになり、帝国図書館(現在の国会図書館)、東京帝国大学、京都帝国大学、高等師範学校(現在の筑波大学)等が買い上げました。本学が所蔵する大惣本は、3,667部、13,081冊にのぼります。


▼大惣本


本学では、2020年度から、国文学研究資料館が実施する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(略称:歴史的典籍NW事業)により大惣本の電子化を進めており、今回70タイトルを公開します。

2020年11月11日現在、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、17,758タイトル、1,404,838画像となりました。

 

歌仙二葉抄 3巻
歌仙二葉抄 3巻

 

梨本集 3巻
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