2024-05-23
附属図書館所蔵「大惣本」から225タイトルを電子化・公開しました
附属図書館が所蔵する「大惣本」から225タイトルを電子化・公開しました。
大惣本とは、江戸中期から明治中期まで名古屋で営業した貸本屋、大野屋惣八店(略称「大惣」)の旧蔵書です。当時の貸本屋は流行中の書物だけを揃えておき、流行が過ぎれば処分して次の書物を購入するのが一般的でした。しかし大惣は「仕入れた本は転売しない」という不文律を引き継いで蔵書を増やしたため、江戸後期には全国一の規模の貸本屋となりました。明治維新以後、書物の大量生産が可能になってからは多くの貸本屋が衰退し、大惣も明治31年頃に廃業が決まりました。16,734部にのぼる膨大な蔵書が売却されることになり、帝国図書館(現在の国会図書館)、東京帝国大学、京都帝国大学、高等師範学校(現在の筑波大学)等が買い上げました。本学が所蔵する大惣本は、3,667部、13,081冊にのぼります。
今回公開した資料の大部分は芝居台帳です。「敵討」「傾城」とタイトルにつく資料が多く見られるほか、心中物、怪談物など幅広い演目が集められています。
『繪本いろは假名四谷怪談』は、『いろは仮名四谷怪談』の絵入根本(挿絵入りの歌舞伎脚本)です。迫力ある不気味な挿絵が目を引きます。
『繪本いろは假名四谷怪談』左:後編巻4 挿絵 中:前編巻1 裏表紙 右:前編巻4 表紙
2024年5月23日現在、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、25,402タイトル、2,138,775画像となりました。
※今回公開した資料の電子化は、国文学研究資料館が実施する「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(略称:歴史的典籍NW事業)に拠点大学として参加して実施しました。