妓王 2巻

『平家物語』に取材した作品。白拍子の祇王は平清盛の寵愛を受けていたが、仏御前の出現によりその愛を失う。祇王は世の憂さを悟り、母とじ・妹祇女と出家し、嵯峨に遁世する。後には仏御前も加わり、四人みな極楽往生を遂げた。本書は葉子十行本『平家物語』に近い本文である。坤巻末では、祇王ら四人の往生を語り終えたあと、弥陀本願・念仏による往生をすすめる文言が付される。(出典: 『京都大学附属図書館創立百周年記念公開展示会図録』より)

写。所謂奈良絵本にして極彩色の絵あり。室町時代末期の筆と認められる。本型は例に違ひて美濃紙型竪本也。表紙は特に華美ならざるも原装なり。見返には色紙型に松及び藤を描く。(出典: 鈴鹿目録中巻 p.83)