京都大学所蔵資料でたどる文学史年表: 万葉集

《この作品について》


万葉集 まんようしゅう - 奈良時代


 万葉集(萬葉集)は、現存する最古の和歌集です。760 年前後に編集されたといわれています。全 20 巻、約 4500 首、天皇・皇后から庶民まで、また仁徳天皇の代( 4 世紀)から奈良時代まで、あらゆる身分の人の、あらゆる時代の歌が収録されています。誰の手によって成立したのかは不明ですが、大伴家持(717? - 785)が最終的な編集に大きな役割を果たしたと考えられています。
 万葉集に特徴的な和歌として、感情や自然の雄大さを素朴に表現したもの、庶民のこころを描いたもの、関東・東北地方を舞台にして詠まれた「東歌」や、筑紫・九州北岸地方での軍備・警護のために連れてこられた人々の哀しい「防人歌」などがあります。
 主な歌人:額田王・柿本人麻呂・山上憶良・大伴旅人・大伴家持など。
 歌の種類:5・7・5・7・7の短歌がほとんどですが、5・7・5・7・・・がずっと続く「長歌」や、その長歌のあとに詠まれる「反歌」など、特徴あるスタイルの歌が多く収録されています。「古事記」「日本書紀」のように5と7の組み合わせがはっきりしていなかった時代と、「古今集」のように5・7・5・7・7の短歌中心の時代、その間に位置します。
 万葉仮名:まだひらがなやカタカナがなかったころ、日本語のヨミを書きあらわすために、漢字が使われていました。(例  袖ふる=袖布流)  このような漢字の使い方が万葉集に多く見られるため、「万葉仮名」と呼ばれています。この万葉仮名が基本となって、のちにひらがな・カタカナがうまれました。

 

万葉集(近衛文庫)巻1から。
万葉集(近衛文庫)巻1から。
3 番目の短歌は、柿本人麻呂の歌 「東の野にかぎろひの立つ見えて かえり見すれば月かたぶきぬ」


《画像&資料について》

 上の画像は、室町時代末期のころに書き写されたと考えられている、万葉集の写本です。(近衛文庫)
京都大学貴重資料デジタルアーカイブでは、計 3 点の万葉集写本の画像を公開しています。
●[万葉集(尼崎本)] 巻 16 のみ。安末~鎌倉初に書写されたと思われ、巻 16 としては現存する最古の写本として、国の重要文化財に指定されています。

●[万葉集 20巻・近衛文庫]
●[[曼朱院本]萬葉集 20巻・(京大本)]

 

《もっと知りたい》

【関連書籍】
鑑賞日本古典文学第3巻 万葉集 / 中西進編
ビギナーズ・クラシックス万葉集 (角川ソフィア文庫)
万葉散策 / 橋本哲二ほか (とんぼの本)

【Web】
奈良県立万葉文化館
高岡市万葉歴史館ホームページ

 

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