レコードID
RB00013814
言語
日本語
出版年
1865
1867
タイトルヨミ
サカモト リョウマ ショジョウ
別タイトル
ローマ字タイトル: Sakamoto Ryōma shojō
英語タイトル: Letter to Indo Ritsu
著者
坂本龍馬自筆
参照形
坂本, 龍馬||サカモト, リョウマ||Sakamoto, Ryōma
冊数
1
出版年(和暦)
慶応1-3年写
形態・版情報
写 巻子本・箱入
32×296cm
写刊の別
写
内容記述
印藤聿(豊永長吉)宛(馬関滞在中3通、京師より1通) A.慶応元年10月12日(馬関より)、B.慶応元年12月29日(馬関より)、C.慶応2年2月3日(京師より)、D.慶応3年3月6日(馬関より)※書簡日付参照:「龍馬の手紙 : 坂本龍馬全書簡集・関係文書・詠草」, 講談社, 2003, (講談社学術文庫,[1628])書簡日付参照:「龍馬の手紙 : 坂本龍馬全書簡集・関係文書・詠草」, 講談社, 2003, (講談社学術文庫,[1628])
慶応元年(1865) 5月、薩長融和の企ては、坂本龍馬・中岡愼太郎等の奔走にもかかわらず頓挫したが、両者とも引き続き周旋に努めた。折から、長州藩は、第二回征長の役に備えて、武備充実を焦眉の急としており、外国から鉄砲・汽船を購入するのに、幕府の監視の眼を逃れるために、薩州の名義を借りる必要があった。龍馬は薩州との縁故も深く、長崎に本拠を置いて航海貿易業を営んでいた。長州藩士伊藤博文・井上馨から鉄砲・汽船の購入を委嘱された龍馬は、英国商人グラバーから莫大な武器を購入し、長州の武備強化に大いに貢献した。しかし、汽船の購入については、龍馬社中(後に海援隊となる) の土佐藩士上杉宗次郎が尽力し、ユニオン号の購入を予約し、長崎から下関に船を廻航し、長州藩海軍局員の点検を受けた。ここにおいて、購入の経緯について(薩州の援助を屑しとせず)藩論は紛糾した。一旦、購入手続きのため長崎に戻り、その後鹿児島を経て、再び下関に来航したが、薩州藩の旗章を用いること、両藩の共用とすること、命名(櫻島丸と乙丑丸) 等を巡って議論が沸騰した。京都から急ぎ下関に下った龍馬は、両藩の折衷案を作成し、12月 6箇條の契約を締結させた。つまり、薩州藩の旗章を用い、乗組員は龍馬社中の士をあて、長州藩が経費を支弁し、同藩士2名をのせ船中の経理・賞罰の権を掌握し、長州藩の用のない時は薩州藩がこれを使用すると定めたのである。ところが長州藩海軍局員はこれに反対し、上杉宗次郎との間で意見が対立した。長州藩庁は海軍局の改訂案を議定し、山田宇右衞門自ら、中島四郎等を伴って、下関に出張し宗次郎と折衝することになった。ここでも龍馬は仲裁に努め、翌慶応2年(1866)になって、乙丑丸は長州藩の所属となったのであった。
一方、薩州藩では、薩長融和の機を逸して後、情勢が険悪化する中、非常の際藩兵の糧食を遠隔の藩地から運送する不便を避け、下関から運送するが最良と考え、龍馬に斡旋を依頼した。龍馬は下関に赴き、10月21日木戸孝允等と会見して、糧食補給の件を凝議した。これによって薩長提携の気運は促進された。同じ頃京都にいた小松帶刀、西郷隆盛は、京阪の情勢が逼迫してくる中で、薩長提携の必要性を痛感し、黒田清隆を使いとし、木戸孝允を京に迎え、将来の策を確立しようとした。清隆は12月下関に来、孝允の上京を請うた。龍馬もまた、下関に来て、清隆を援け孝允の上京を決議させた。これによって12月26日孝允は山口を発ち、奇兵隊士三好軍太郎、御楯隊士品川彌二郎、遊撃隊士早川渡、土佐藩士田中光顯等を伴い、清隆とともに上京の途についたのであった。このように薩長提携の一段階を画するに至る重要な局面で、龍馬は動いたのであった。
この書状は、慶応元年(1865)12月29日、下関に滞留中に龍馬が長府藩士印藤聿に送ったものである。先ず、乙丑丸の契約改訂のために山田宇右衞門、中島四郎等が来たことを述べ、事件解決の自信、木戸孝允が黒田清隆及び諸隊の俊英とともに上京したことを記し、孝允から龍馬に上京してくれと言ってきたことを報じている。そして、龍馬自身慶応2年(1866) 正月早々に上京するので、同行の士を求めると述べている。この手紙の後、正月元旦に印藤聿の紹介で長府藩士三吉愼藏と相会し、正月10日愼藏及び土佐藩士池内藏太、龍馬社中の寺内新右衞門(新宮馬次郎の変名) を伴って、海路上京の途に就いたのである。
注記
吉田松陰とその同志展
維新DBリスト:未展示品15、未展示品16
奥書等:巻末に品川弥二郎の跋あり
請求記号
尊/巻290/貴
登録番号
1799486
リストNO
未展示品15
未展示品16
所蔵
京都大学附属図書館 Main Library, Kyoto University
コレクション
サブコレクション
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