品川子爵は尊攘堂を創設するや、憂國勤皇志士の遺品、遺墨類の多數を蒐集保存し、祭典の際には之を陳列して一般人士に縦覽せしめた。それらの遺品は子爵が自ら編輯した「尊攘堂藏品目錄」に著録されてゐる。而して遺墨類の中、特に志士の書翰、建白書、覺書書畫及び遺咏等は、その數實に夥しく存したが、子爵は之を適當に整理して屏風に貼付し、永く保存の途を講ぜられたのである。現在その遺墨張交の屏風は全部で二十三隻を存し、内二十一隻は六曲、二隻は二曲である。これらの遺墨中には幕末維新史の硏究資料として頗る重要なるものが尠くない。(出典: 京都帝国大學『尊攘遺芳』日本評論社, 1941)
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