1661年、呉承傳色宅奴石伊土地売買斜給立案
1661年、呉承傳色宅奴石伊土地売買斜給立案

河合文庫は文学博士河合弘民氏が朝鮮史の研究に資するために採集した、朝鮮文書類とその典籍部である。大正8年(1919)博士の遣族よりその旧蔵書793部、2,160冊を購入して、河合文庫を設置し特殊文庫の1つに加えた。

博士は明治6年(1874)に生れ、明治31年東京帝国大学文科を卒業、各地の中学校に教鞭をとり、同40年東洋協会専門学校京城分校の教頭に就職した。在鮮中朝鮮史、特に李朝の財政に関する研究に没頭し、その資料として朝鮮の文書記録をはじめとし参考典籍を各方面に求めて収集した。大正5年8月「李朝税制ニ関スル研究」を江湖に問い、その業績に対して文学博士の学位を得た。その後協会専門学校本校に帰り教授の職にあったが、大正7年(1918)10月47歳で病のため夭折した。

この文庫に集められたものは李朝以後のものであるが、公私の文書記録、政治、経済、宗教、風俗など多方面にわたり、朝鮮の社会史ならびに文化史の研究にも有益な利便を与えるものである。とりわけ朝鮮財政史の研究には必須の貴重な資料である。

文書記録には土地、家屋、物件等の売買に関するもの、公米、公木に関するもの、その他外交、貢物等に関するものが多種多様に収蔵されている。特に李朝の財政に関する資料が豊富であることは、博士の専攻がこの方面にあったことを物語るものである。

典籍も頗る多く収書の範囲も歴史的分野に限定されず、経史子集の全部門を包摂している。収書範囲は極めて広いが、しかもそれが無秩序なものでなくよく統一され体系化されていることは、博士の学習態度が如何に綿密であり、慎重であったかを裏書きするものであろう。

典籍の大部分は活字印本で、朝鮮活字印刷の歴史を実物をもって例示するものものということができる。活字は多く木活字であるが、「西坡集」は朝鮮英祖5年(1729)の鉄活字版、また「文苑黻黻」は朝鮮世祖11年(1466)の行書銅活字版で、他に類例の極めて少ない典籍である。量的には多くないが、この他にも鉄活字等の金属活字版が架蔵されている。

まことに本文庫は李朝300年の歴史の集約であり、またその輝しい文化遺産の凝集であるということができる。

(解説の出典: 京都大学附属図書館編「京都大学附属図書館六十年史」第3章第3節)

 

河合文庫の電子化事業

2015年、京都大学附属図書館、京都大学人文科学研究所及び高麗大学校民族文化研究院は協定を締結し、京都大学附属図書館が所蔵する韓国古文献の調査、電子化及び解題の作成を協力して実施することになりました。

京都大学人文科学研究所及び高麗大学校民族文化研究院による資料調査をもとに、高麗大学校民族文化研究院が韓国語の書誌情報を作成し、京都大学人文科学研究所の金文京名誉教授が日本語解説を作成しています。資料の電子化画像は、京都大学附属図書館で撮影、作成されています。この成果は、順次デジタルアーカイブで公開していきます。

▼附属図書館・人文科学研究所・韓国高麗大学校「韓国古文献の調査及び解題及びデジタルイメージの構築事業に関する協定」により電子化した資料

  • 2018年2月7日 文書類996タイトルを公開
  • 2018年3月30日  文書類1,328タイトルを公開
     

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