法華私記縁起 1巻

奥に「奉寄進 法華玄義序 百部/文禄四(乙未)暦極月二十四日/大光山本国寺常住 願主一輪房日保」とありて我が国における活字版として最古のものと見らる。因にいふ帝国図書館に蔵するところの天台四教義集解(三巻三冊)の巻末に「文禄四年(乙未)暦十一月二十四日」とありて、この玄義序と同一活字を用ふ。尚この玄義序の巻末に記するところは刊記に非ずと説く者もあれど、外題に墨書せる「法華玄義序」の書体は正に当時のものと認められ、且前述の天台四教義集解と対照してこの願文を刊記と認め活字版となすべきなり。(出典: 鈴鹿目録上巻 p.34)