病草子

病草紙の影写本にして、絵には極彩を施し、詞書をも写せり。仮装のままなり。奥に「廃疾画一巻大館高門家蔵也。/其所図不成人十六種予廿五世祖刑部大輔吉光真跡詞書伝曰卜部兼好所写也。而令分其中一葉見贈予々即模其図及其逸者。一葉贈之聯謝之其画雖出一時戯実可謂希世之品寛政丙辰季冬/初五日観之(画所預従四位下土佐守藤原光貞審定)」とあるを写せり。旧蔵者田中尚房は巻首に識して曰く「画図品類云絵は土佐光長詞は雅経卿のよし住吉広行いへり。原本尾張人大館氏所蔵とぞ。貫雄云此巻筆は吉光兼好の説、不中画は光長、詞は寂蓮十七葉のものにおなじ。原本詞書あるもの此外に不見。其他摸本ともに皆詞も逸す。をしむべし。」と。(出典: 鈴鹿目録下巻 p.126)